こちらは前コラムの続きになります。
3. ドライヤーを小刻みに振るメリットは?
美容室でドライヤーをかけて貰うとき、美容師さんがドライヤーを
小刻みに振っているのをご存じでしょうか?
この「フリフリ」には、実は大きな理由があります。
髪の毛は8割以上がタンパク質で出来ており、生卵に熱を加えると
ゆで卵になるのと同じ原理で 髪の毛だって、熱を与えすぎると固まってしまいます。
髪内部のタンパク質が集まって固まってしまうと、
あちこちに埋まらない空洞(ダメージホール)が出来てしまい、キューティクルが剥がれた場所から、髪内部の成分や水分が流出しやすくなります。
これを「タンパク質の熱変性(タンパク変性)」と呼び
髪が濡れていると、約60℃ぐらいから熱変性が始まってしまいます。
美容師さんが髪を乾かしてくれるとき、ドライヤーを「フリフリ」させているのは
ムラなく乾かすほか、タンパク質の熱変性(タンパク変性)を避ける意味もあるんです。
髪の傷みをおさえるためにも
ドライヤーは小刻みに振って、熱を分散させることを意識しましょう。
4.根元から乾かして扱いやすい髪に
髪の水気をとったら、いよいよドライヤーで乾かしていきます。
「強温風」でドライヤーを使用しましょう。
ドライヤーの後、いつも毛先だけハネたりしていませんか?
実はそれ、「根元部分」の乾かし方が原因かも、
根元や、えり足・耳上など
乾きにくい箇所から順に乾かすことで、毛先がおさまりやすくなります。
広範囲に熱を分散させるために、ノズル(吹き出し口)を外した状態で
髪を乾かすことをオススメします。
髪がしっとり濡れている状態だと、熱の影響を受けやすいため
最低でも髪から10cm離してドライヤーをあてましょう。
根元部分を乾かすときは、空間を作るようにすると 風通りが良いです。
乾きにくい場所は髪をもむように、乾かしていきましょう。
この間も、ドライヤーを振ることを忘れずに。
根元部分が乾いてきたら、毛束をゆるく引っぱりつつ
ドライヤーを振りながら、髪全体を80%ほど乾かしていきましょう。
5.仕上げは「上から下」へのドライヤー
前髪以外の仕上げも、まずは「弱温風」で行っていきます。
また、ノズル(吹き出し口)を取り付けて風を当てていきます。
これは、髪の「水素結合」と呼ばれる働きを 利用する目的があります。
髪の毛が濡れている・湿っているときは この「水素結合」の結びつきが切れており
「もうちょっとで髪が乾く」といった頃、水素結合の結びつきが固定され始めます。
つまり、80%乾かした 仕上げ前の状態の時が
いちばん毛流れやシルエットを整えやすいと言うことです。
風を拡散させない様に、ノズル(吹き出し口)から温風をしっかり当てることで
まとまり良く仕上げることが出来ます。
ドライヤーの風を上から当てつつ
髪の毛は下方向に引っぱりながら乾かすことで、より毛流れが整います。
最後は冷風を当て、髪に残った熱を逃がします。
余熱による乾かしすぎを防ぐと共に、ツヤ感の向上にも繋がります。
下から上へドライヤーを当ててしまうと
不自然なボリュームが出てしまうばかりか、髪表面のキューティクルがめくれ
ダメージの要因になりかねません。
「ドライヤーは横から、もしくは上から下」を守りましょう。