気付かないうちに頭部に10円ハゲができてしまっていたことありませんか?
発見したときはショックが大きいかと思います。
通称10円ハゲとも呼ばれる円形脱毛症ですが、だいたいの方はストレスが原因と考えるかもしれません。
ですが、ストレスだけが原因ではないのです。
今回の記事では円形脱毛症はどのような症状なのか、また考えられる原因や対策をご紹介していきます。
円形脱毛症とは???
円形脱毛症とは、男女差がなく円形の形に部分的に髪の毛が抜け、10円玉くらいの大きさが一気に脱毛状態になってしまう脱毛症です。
一般的には10円玉くらいの脱毛と思われがちですが、実は頭部全体に広がるものや眉毛やまつげ、体毛などに及ぶ重度なものまで、
症状はさまざまです。
以下の4つのようなさまざまな症状があります。
通常型円形脱毛症
10円玉や500円玉のような形での脱毛が1ヶ所であれば、『単発型』、2ヶ所以上あれば『多発型』といいます。
目立ちにくいところにできる場合もあれば、前髪の生え際や後頭部など目立ちやすいところにできる場合もあります。
これらのうちの脱毛の範囲が少なければ軽症ですが、脱毛の範囲が頭皮の25%以上であれば重症です。
全頭型円形脱毛症
脱毛が全ての頭に広がってしまっているタイプ
汎発型円形脱毛症
脱毛が頭だけでなく眉毛やわき毛など全身に及ぶタイプ
蛇行型円形脱毛症
頭の生え際が帯状に脱毛されるタイプ
円形脱毛症に性別や年齢などによる発症の差はあまりありませんが、20代~30代に多くみられる傾向があります。
なかには初期症状として、爪の表面に小さな点状のくぼみが直線的に並んで現れる人もいるのが特徴です。
他にも爪全体の光沢がなくなったり、爪がもろくなったりするなどの爪の変化が起こることが多いです。
爪以外ですと、
●原因不明で突然髪の毛が抜け始めた
●円形や楕円形の脱毛斑があり、地肌が見える部分がある
●気管支炎やアレルギー鼻炎、アトピー性皮膚炎やアトピー性疾患がある
これらの特徴的な症状がいくつか当てはまった方は、円形脱毛症の疑いがあるため、早めに対策を取りましょう。
円形脱毛症の原因は???
円形脱毛症のはっきりとした原因はまだ判明されていませんが、
近年では髪の毛の毛根組織に対して免疫機能の異常が発生する自己免疫疾患と考えられています。
免疫とは、体内に入ってきた異物を認識して排除するシステムのこと。
免疫機能の異常を発生させる要因としては、疲労や感染症などの肉体的・精神的なストレスや体質的な素因があります。
それらも含め、円形脱毛症の原因になると考えられているものを、以下に紹介していきましょう。
自己免疫疾患
自己免疫疾患とは、外部からの侵入物を攻撃することで私たちの体を守ってくれている免疫系機能に異常が生じ、自分の体の一部分を異物とみなして攻撃してしまう病気です。
円形脱毛症は、Tリンパ球が毛根を異物と間違えて攻撃してしまうために発症すると考えられており、その激しい攻撃により毛根が傷んで、元気な髪の毛でさえ突然抜け落ちてしまうのです。
しかしなぜその様な異常が生じてしまうのかは、まだ明らかになっていません。
アトピー素因
アトピー素因とは、アトピー性疾患(アトピー性皮膚炎、気管支炎、アレルギー性鼻炎のいずれか)を持っている人のことを言います。
円形脱毛症患者の40%以上がアトピー素因を持つと言われ、半数以上が本人もしくは家族にアトピー素因が認められるなど、深い関連があるとされています。
精神的ストレス
円形脱毛症の発症要因のひとつとして、『精神的ストレス』が挙げられます。
精神的ストレスを受けると、それに抵抗するために交感神経が活発に動きます。
交感神経は、心肺を早く動かしたり体温を上げるなどの働きがあり、身体がストレスと闘う準備をしてくれます。
このとき、ストレスが強すぎたり長く続いたりすると、交感神経に異常をきたします。
その結果、血管を収縮させ、頭部への血流が悪くなり、毛根への栄養補給が行き届かなくなって脱毛が引き起こされると考えられます。
出産後の女性ホルモン値の変化
妊娠から出産後における女性ホルモンの減少も、原因の一つと言われています。
妊娠中、体内の女性ホルモン値は通常の100倍以上に増加しています。
それが、出産すると一気に通常値に戻ります。
女性ホルモンには発毛促進の作用があり、逆に減少すると抜け毛につながることから、毛周期との関係で産後3~4ヶ月後に抜け毛が多くなります。
多くの場合は頭髪全体のボリュームが減る産後脱毛となりますが、このときに、円形脱毛症になることがあります。
さらにアトピー素因を持つ場合、それが加速されやすいというデータもあります。
ホルモンバランスだけでなく、育児の忙しさによる食事の偏りや出産のストレスが原因になることもありますので、産後の抜け毛には特に気をつけることが大切です。
遺伝
円形脱毛症の約8%に、血縁関係の人間が同じく円形脱毛症を抱えているというデータがあります。
メカニズムなどはまだはっきりしていませんが、このデータから遺伝的な要素もあると考えられています。
発症率は患者さまとの親等が近いほど高くなり、一親等の発症率は二親等以上の家族の10倍にもなるといわれています。
円形脱毛症は自然に治る???
病気が原因ではなく、脱毛の量が少ない場合、セルフケアを行えば自然と生えてくると言われています。
気にしすぎるとストレスになってしまうので、あまり気にせず生活することも大切です。
円形脱毛症のセルフケア
①頭皮マッサージ
入浴時や日常的に指の腹全体を使い、気持ちの良い強さ程度に頭をもみほぐしましょう。
1日1分程度を数回行ってください。
※あくまでも治療ではなく改善するための補助的なものとお考えください。
②生活リズムを整える
生活リズムが整うと、頭皮の細胞が生まれ変わりやすくなります。
同様に、毛を生やす毛母細胞も活性化され、髪が生えてきやすくなります。
●日中にウォーキングなで適度な運動を行う
●睡眠時間は1日に6~8時間確保する
●バランスの良い食事を意識し、ファーストフードなど酸化した油は避ける
●タンパク質・ビタミン・ミネラルを積極的に取る(サプリメントでも良い)
なかなか改善が見られない場合は・・・
円形脱毛症が長引いたり、再発を繰り返したり、重度になると髪の毛だけでなく、まつげや眉毛も抜けてしまいます。
早めに治療を行えば、脱毛を最小限で止めることも可能になるケースがあります。
人に会うのが億劫に感じてしまったり、一人で抱え込んでしまうと精神的なストレスにも繋がるので早めに治療しましょう。
また、免疫疾患を発症している場合、病気の治療が必要になるので、一度医師に相談してみましょう。